第13章 ハートの海賊団
それは想像以上だった。
最奥を突かれたクロエは言い表せない程の快楽が全身を襲い、たった一突きで意識を落とされた。
(これは…やばいな…)
ぐらりと揺れるクロエの体を倒れないように抱き止めるのが精一杯のロー。
意識のないクロエを気遣ってやりたいがそんな余裕はなかった。
意識こそ保ったが、勢いに任せてクロエのナカに突っ込んでから目の前が真っ白になり、更にはクロエがイッた刺激でナカがうねり、ローを射精へと導いた。
それから射精した快感がずっと続き、強烈な快楽に体が支配されていて動けないのだ。
クロエの首筋に顔を埋め、荒い息が落ち着くのを待つ。
また腰を動かせばあの強烈な刺激を得られるのだろうか。
今すぐにでもがむしゃらに貪りたい衝動に駆られるが、とりあえず自分が落ち着いたらクロエの様子を見なければ。
何分、何十分経ったか定かではないが、落ち着くまで待とうと考えてからひたすらにクロエの体に痕を残していった。
これで起きればいいな、くらいに考えて始めた行為だが、次第にそんなことは忘れ息も荒く、届く範囲でまだ痕の付いていない肌を探しては、強めに吸い付いていった。
「ん…」
ローにもたれ掛かっていたクロエが声をあげる。
意識が戻ったようで顔を上げ、暫しぼんやりとローの顔を見つめている。
「大丈夫か?」
声をかければ何をしていたのか思い出したようで、ふいっと顔を背けて唸った。
「挿れただけでイクとか信じらんない…」
赤い耳にかじりつき「可愛かった」と囁けば更にそっぽを向いてしまった。
抱き合い未だ繋がった状態のそこは、僅かな身動ぎで溢れた液体が脚を伝う。
感覚でわかったクロエは「ローもイッたんだ…」と呟いた。
しかしまだ足りないのはナカを押し広げたままの熱量でわかる。
少し腰を動かして暗に続きを促せば、回復が早ぇな、と両の手で腰を抑えられる。
「あと数分我慢しろ」
「数分…?」
何故かと問えば、それがこのポリネシアンセックスの流れだから、と。
クロエは頭から飛んでいたワードに、まだ忠実にルールを守ってやってるのか、と半ば関心さえする視線を送った。