第13章 ハートの海賊団
「欲しがれよ、俺を」
いつもは鋭い金の瞳を甘く緩め、それでも己に従わせようとする支配者の色を宿してこちらを覗き込む。
まるで逃がさないとでも言うように絡めてくる視線。
そんなことしなくても、今やこの身は全てローのもの。
「迫って欲しいの?」
「そんな気分だ」
背の高い彼の頭を引き寄せ、後頭部に手を回す。
トレードマークの帽子を脱がせて丁寧にソファへと置き、押さえつけられていた髪をほぐすように頭を撫でれば身を屈めてすり寄ってくる。
頬に触れた唇を追って合わせればすかさずローの舌が入り込み、性急に欲を煽ろうと口内を暴れまわる。
必死にそれに食らいつこうと応えていればあっという間に息が上がり、互いの唾液が飲み込めずに顎を伝った。
「ちょ、息が…」
「ヘタクソ」
からかう言葉にムッときて、余裕をかます笑みを横目に、緩く立ち上がり始めたローのものに手を伸ばし、ズボンの上から強めに擦った。
「…っ!」
びくっと跳ねる肩に、今度はこちらがいたずらに笑う。
おっかない顔で睨むローを他所にその場に膝を付き、ズボンのベルトへと手を伸ばす。
期待に満ちたローの視線を浮けながら膝までパンツごと下ろせば、ギンと反り返るものが目の前に飛び出だし、「ゎ、」と小さな声が漏れた。
「ガチガチ…」
「…そこで喋るなっ」
息が当たるのか少し眉を寄せて唸るローを無視し、ひくひくと揺れるそれを眺める。
赤黒く、血管が浮き、先走りで濡れるそれは凶器そのものなのに、どうしてか可愛く見えてしまう。
今も呼吸程度の吐息で反応するそれにかぶりつきたくてしょうがない。
だが、ローが余裕がない時にこそ攻めなければ。
普段主導権を握られっぱなしだが、今回はお互いにギリギリの精神力で弾ける欲望を押さえているのだ。
我慢強さならこちらに利がある。
「…やっぱり先にお風呂行こうか」
「おまえっ…ふざけんな。脱がせたんだから咥えろ」
くしゃりと掴まれた髪の毛に、余裕の無いローの吐息。
「気分が乗ればそうする」とだけ言い、唇を当てるだけのキスを男根に送る。
裏スジや横などさわさわと触れるだけの愛撫。
ついでにキスをしながら顔を軽くあげ上目で視線を送れば小さな舌打ちを返された。