第13章 ハートの海賊団
眠れない。
4日目を迎えて欲求不満は最高潮に達している。
それなのにHOW TOに則り途中でやめないローは辛くないのだろうかと気になって問えば無言で腰を押し付けられた。
ガチガチに滾るものを押し付けられればなにも言えない。
就寝の姿勢を取ってから早2時間。
くるまる布団の中、互いの高い体温で暑いからか、しっとりした肌。
どうせ眠気もこないのだからシャワーを浴びてさっぱりしようと体を起こせばローも寝ていなかったのかすぐに「眠れないのか」と声がかかった。
「シャワー浴びてくるよ」
床に落ちていたローのシャツを借り簡単に羽織ってローの部屋のシャワールームへと向かう。
ここだけ備え付けてあるシャワーに、さすが船長、と小さな優遇に感謝する。
元自分の軍艦にも個室にシャワーはあったが、それは個室を与えられているものならば皆同じ。
隊長だからといって優遇されるものはあまりなかったなと、どうでもいいことを思う。
というよりどうでも良い事で思考を埋めないと、シャワーからでたら素っ裸のローがベッドにいるのだ。
知識も経験もあるだけに思春期の子どもよりもヒドイ妄想具合に溜め息がでる。
こんなにも欲を我慢できない質だったとは。
「俺も浴びる」
「えっ!?」
シャワールームは狭い。
突然入ってきたローは壁の方へクロエを押しやると、ぼーっと持ったままだったシャワーヘッドを奪い取り、水よりかはいくぶんか暖かい程度の低めの温度で浴び始めた。
「なにウブな反応してやがる」
「……」
勃ち上がるローのもの。
いつもだったら触るなり咥えるなりするけれども、どれもできない今は視界に入れるのさえ凶器になる。
だから視線を反らしていれば小馬鹿にするように笑われた。
「明日たっぷりと味合わせてやるから、もう少しガマンな」
顎を掬い上げられ視線を合わせればおでこに一つキスを落とされる。
子どもをあやす様にするキスに気恥ずかしさで自分でもわかる程赤らむ顔に、期待して早鐘を打つ心臓。
もう、自分では自分を制御できず、いつものスタイルが取れない。
「…絶対返り討ちにしてやる」
自分が喘がされるのは目に見えているので、その上でやり返えそうと固く心に決め、シャワーヘッドを奪い返した。