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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第13章 ハートの海賊団


くちゅくちゅと舌が交われば唾液が互いの顎を伝い滴となってシーツに落ちる。
体をピタリと合わせ、足を絡ませながら続くキスに、体は十分なほど出来上がっていて、下腹部がヒクヒクと物欲しそうによだれを垂らしているが決して触れはしない。

あと1日。
今日が過ぎれば明日は上陸し、宿へといける。
そうしたらこの滾ったままの熱を解放できる。

「はっ…その顔、誰にも見せられねェな」

キスの合間に見たクロエの顔はとろりと甘く瞳が潤み、白い肌が紅葉して色っぽい。
それだけではなく解放できない熱に悶え苦しむ様子が眉に表れ、懇願するかのように戦慄く唇がどうしようもなく加虐心を擽った。

見せるつもりは毛頭無いが、あのクロエが己を欲する余りにその柔らかな身を寄せねだるようなキスをする様は、誰かに自慢したくなる程艶やかで強烈な色香を放ち、そしてなりより可愛い。

再度集まり始める熱から意識をそらそうと昨日今日のクロエの行動を思い返す。

明確に開けられた距離に皆が不思議がる中、目が合えば離れていても手に取るようにわかるクロエの早い鼓動。上気する頬。
頭の大半を他言できないような情事の様が埋め尽くしていているのだろう。
肝心なところは一切触れられない生殺しが如何に悪影響か身をもって体験中な自分達。
最終的には「離れていないと、ところ構わず押し倒してしまう」と言って日中は常に一定の距離を開けた状態を保って行動をし始めた。
文字通り頭の中まっピンクな彼女を堪能し、からかうのはとても有意義な時間と言えよう。

「…二度と、やらないからね」

ローの肩に顔を埋めて落ち着こうと深呼吸するクロエ。
だが完全に興奮している二人の体はそんなもので落ち着くはずもなく、諦めたクロエはしっとりとする肌を離して仰向けに寝転んだ。

またころりと寝返りを打ったクロエは背中をこちらに向ける。
それをぼんやりと眺めれば自分でも引くくらいのキスマークと噛み痕が見える。
肝心なところを愛撫できない代わりに全身を舐め回した結果がこれ。
これをイッカクに見られてからかわれたのか。
そりゃ、イッカクも弄らないわけにはいかないレベルだよなと苦笑いが漏れた。

「…なに笑ってるの」

少し不機嫌そうな声で振り返ったクロエに、明日は薄着で出歩くなよと忠告しておいた。


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