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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第13章 ハートの海賊団


皆より早く朝食を食べ終えたクロエは物資の補給のために一人倉庫へと向かっていた。
賑わうダイニングとは違い静まり返る廊下。
潜水中の今、機械音が何処かしらから響き、それを聞いていたら沸いた思考を繰り広げていた頭が冷めていった。

軽い触れ合いのみの夜を過ごして4日目。
最初は新鮮で楽しんだりする余裕もあったが昨日は耐えることに集中するばかりで楽しめはしなかったのが正直なところ。
ローから与えられる際どい快楽をやり過ごすので手一杯で、こちらから多くはシテあげれらなかった。
直接触れられはしないが、もっとローにも気持ちよくなってもらいたいからこちらから触れたいのに、ちっともそんな余裕をくれない。
いくら止めてと言っても聞かないのだ。

気持ちが良いし長時間触れ合っているから心が満たされるのを感じる。
だが同時に最後までヤれないもどかしさは強く、しとどに濡れる下腹部が切なさで泣いてるみてェ、なんて比喩する男を睨み付けたのは昨日の夜。
自分だってグロテスクに膨張し、どくどくと脈打つのが目に見える程なのにどの口が言うのだろうか。
結局火が付きっぱなしの体で就寝するのは難しく、お互いに背を向けて早く意識が落ちるのを願う羽目になり、案の定寝不足だ。
元々隈の濃い人は良いが、クロエは朝から厚めにファンデを塗らなくてはならなくなった。


倉庫で小さな木箱に必要なものを積み重ねる。
中腰からその木箱を持ち上げようと力をいれた瞬間、腰に電気が走ったかと思うほどの痛みが走った。

(いったぁー!)

普段の要領で持ち上げようと勢いよく上げ、弱った腰の筋肉が耐えられず悲鳴を上げた。
こんな数個の木箱すら持てなくなった事実にショックを受ける。
ここ最近は普段と変わらない生活を送れるようになっていたから、筋力が衰えていたことを忘れていた。
しかし、これでは以前とは余りにも差がある。

(鍛練…励まなくちゃな)

正式にこの船での役割を貰ったわけではないが、"船長の女"なんて役割だけはごめんだ。元の肩書きは海軍中将なのだ。少なくとも戦闘員としておいてもらいたい。
主治医の許可は必要だが、組手や筋トレなどやっていいか聞こう。
もうそろそろ睡眠・食事・散歩という穏やかな生活から抜け出してもいいだろう。


仕方がないから木箱は持ち上がる量(1箱)を数回にわたって運び出すことにした。

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