第12章 青紫の眼と新たな仲間
「許可するかわりに、条件がある」
連絡の際はローの前で使用すること。
盗聴妨害の電伝虫を入手してから使用すること。
「わかった。ありがとう。厳守します」
「そうしてくれ。あまり親密だとあらぬ疑いをかけたくなる」
ちゅ、と久々に軽く触れた唇は甘く、間近で覗くローの黄金色の瞳は嫉妬の炎がチリチリと小さく燃えている。
安心させるように再び来る唇にキスを返し、ローの頬をするりと撫でた。
「情報がほしい時しか使わないよ」
ちゅ、ちゅとバードキスを繰り返しローの顔にすり寄る。
この船に乗せて貰ってから、療養のためだったり、クルーの目があったりで、近くにいるのにあまりローに触れられなかった。
だから一度でも甘く火が灯るともっともっとと抑えが効かなく貪欲に体がローを求めた。
気付けば縋るように袖を掴んでいて、肉厚な甘い舌を迎え入れたくてペロリとローの唇をなめる。
一瞬、わずかな間だが動きを止めたローは、最後に軽くキスをおとし、欲に応えてくれることなく離れていった。
「今は体の事を第一に考えて、おとなしく寝ろ」
ポンポンと頭を撫でられ、額にひとつキスをされると空っぽのグラスを手にローは部屋から出ていった。
物足りなさを全身に感じながら、出ていった扉を見つめる。
がっついた自分、やんわりと拒否したようなローに一気に顔が熱くなる。
(うわっ…調子乗った…はずかし…)
ようやく落ち着いてきた体調や未だリハビリのような動作しかしていない体。
どう考えても欲を出すにはおかしい段階だが、こんなにもローが近くにいるのだ。もっと触れたい、肌を重ね甘く蕩けたいと思ってしまったのだ。そんな自分を少し恥じ、火照る体から意識をそらすように布団に潜り込んだ。