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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第12章 青紫の眼と新たな仲間


クロエに自分のコートを被せ、電伝虫を取り出し仲間に連絡を取る。
既に騒ぎが聞こえたときにこちらに向かってきているらしく、会話中にもすぐに姿を現した。

「海兵達は?」
「上でボヤ起こしてきました。まだ此方には来ません」
「俺も同じッスね、降りる道にトラップ仕掛けてきましたし」

流石と褒めはしないが軽く頷き、クロエを抱き上げる。
シャチとペンギンがクロエの様子を覗き込み、ローと同様、見たこともないクロエの姿に眉をしかめていた。

「薬っすか?」
「あぁ」

シャチが滑り落ちたコートから見えた腕の注射痕をみて問う。
ペンギンがしっかりとローのコートでクロエの体を包み直したら「行きましょう」と船に連絡を取った。

「今から戻る。発進の準備を」

了解の旨を視線で伝えられる。
離れた場所に落としてた鬼哭の鞘を片手にシャチが戻ってくると、ローは大きくルームを張った。

「近くにいろよ。切ったら直ぐに飛ぶ」
「「アイアイ!」」

刀を縦にふり、船を真っ二つに切断する。
突然の事に叫ぶ声と同時に此処彼処から爆発音が聞こえてきた。切ってはならないものを切られ、爆発は連鎖していった。

船を切ると同時に自船に飛ぶ。
慣れた二人は危なげもなく潜水艦の床に着地した。

「お帰りキャプテン!クロエは!?」

駆け寄ってきたベポには悪いと思ったが足早に処置室へと向かう。
後方でシャチがベポを始めとするクルーに説明し、ペンギンはローに着いてきた。

処置室に着きペンギンは手際よくオペ台をセットしていく。

「何から始めます?採血しますか?」
「あぁ」

ローが能力でスキャンする間、ペンギンは血を取る。
途中、太い血管が通るところが腫れているために遣りづらそうにしていて、慎重に針を刺していた。

「能力で薬を可能な限り取り出す。終わったら呼ぶから検査を頼む」
「アイアイ!」

数本血液を採ったペンギンは処置室を出ていった。
閉まった扉を確認し、ローはルームを張る。
スキャンしてわかったが、殆どの薬は吸収されてしまい取り除くのは困難だった。
それでも僅かでも吸収されていない薬剤を、余すところなく取り除いていった。

(これ以上は無理か…)

クロエを元に戻しながら一息つく。
集中していた為に自分の額に汗が滲んでいるのにも気付かなかった。

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