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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第9章 シャボンディ諸島


久々に心地よく朝を迎えた。
ローに包まれているお陰で体も心もポカポカと暖かい。

暫く微睡んでいれば、ローが身動ぎ少し空いた体の隙間を埋めるように抱き寄せられる。
起きたのかなと顔を見上げればまだ瞼は閉じたままだった。

そろりと腕から抜け出し、備え付けのコーヒーメーカーのスイッチをいれる。
インスタントしかないが、なんだか美味しいコーヒーが飲めそうな気がしたのだ。

ぷるぷるぷる

電伝虫が鳴り、辺りを見渡せばローが脱ぎ散らかした服の中から見つける。
あまり大きな音ではないが側でローが寝ている為音がうるさくどうしようかと手に取れば、見覚えのある帽子を被っている姿だった。

がちゃり
「はろー、シャチ」
『ん、クロエか?おはよう!』

晴天の空にふさわしい陽気な声。
姿を模している電伝虫もにこにこしてる。
相変わらず陽気なヤツ。

「そうよ。ローはまだ寝てるよ。急ぎ?」
『いや、寝てるならいーや。伝言頼める?』
「えぇ」
『ヒューマンショップ、二日後に開催する事が分かったって伝えておいて』
「なに、そんなのに興味あったの?」
『せっかくだから見学するってさ』
「ふーん…たまに天竜人もくるから騒ぎ起こさないよう気を付けてね」
『おう』
「もし騒動起こったらもれなく私も出動になるから」
『それは勘弁願いたいな~』
「ふふっ。こっちも同じ。じゃぁ伝えておく」
『よろしくー!』

静かになった電伝虫をテーブルに置く。
確かにめったに他の島にはないヒューマンショップは立ち寄る海賊も多い。
しかし天竜人も出入りするあそこには正直近づいてほしくなかった。
一歩間違えれば奴隷となるのは容易い。そんな彼らを見たくはない。

(まぁローの能力なら大事になる前に逃げ出せるよね)

なんとも便利な能力で羨ましい限りだ。




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