• テキストサイズ

【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第9章 シャボンディ諸島


お昼を食べてきたのは嘘で、正直食欲がない。

まぁ無いと言っても一人前は食べているので問題ないのだが、いつもの大食いが嘘のように食欲が沸かない。

蕎麦屋を出た後も観光をするみんなについて歩くが、買い食いするシャチやペンギンに合わせて食べられない。
食べ飽きたとか適当ないいわけを並べ続けていれば彼らはすぐにおかしいのに気付く。

何個か買い食いに付き合うが殆ど味わうことなく飲み込んでいた。

「え?シャチ達は船に戻るの?」
「あぁ。まぁ船と言うか飲みに行く約束したからな」
「女の子の店行くんだよ」
「ベポ!ばか!そんな大きな声で言うな」

日が傾き始めた頃、帰ると言うロー以外の皆に問えばお姉ちゃんと遊ぶと浮かれ顔の男二人。
ベポは単に飲みに行き酒場で情報収集するのだろう。
雌熊は流石にいないからな。

「てことでお二人さんは、どーぞごゆっくり🖤」
「俺らはお邪魔でしょうから🖤」

ニシシと笑う彼らは、こちらが言葉を発する前に手を振り駆け出していった。

「まったく…」

ベポから鬼哭を受け取ったローは宿探すか、と歩き出した。

「宿ならすこし遠いけど79番GR目指そうか。良い宿が多いよ」
「あれ乗っていくぞ」
「ボンチャリ?ローが漕ぐの?」
「お前だろ」

人任せかよ!と突っ込むが、ローがちゃりんこ漕いでる姿が想像できない。

「似合わなさそうだもんね。笑える」
「あぁ?」
「あっちのタクシーにしよう。私も漕ぎたくない」

金はあるんだ。楽しよう。










綺麗な外観のホテルでチェックインする。
小高い丘に立つそのホテルは、島の繁華街が見下ろせて綺麗な夜景が見えた。

「おーキレイキレイ!」

煌めく光を見下ろしながら、ルームサービスのカタログを取り出す。

「食欲減ったことに驚いたが、それでも酒は飲むのにも驚く」
「そう?別腹だよ」

覗き込んできたローは、そこに並ぶお酒の名前にあきれた顔をした。

「というか食欲、減ってないよ。軍の食堂で食べたって言ったじゃん」
「誤魔化しても無駄だ。俺が分からねぇ訳ねェだろ」

それに、と刀を壁に立て掛けたローは両手でクロエの腰を掴んだ。

「お前はあの量を食ってバランス保ってんだ。一人前そこら食べたくらいじゃ足りねぇのは、この痩せた体で分かっただろ」
「……」



/ 262ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp