第9章 シャボンディ諸島
「お前、その死んだ顔なんだ」
「…」
「すげぇやつれてんな!笑えるくらいに」
「隈、キャプテンとお揃いだね~」
シャボンディ諸島39番GRのカフェ。
ハートの海賊団が上陸したと聞いたのは昨日。
今日から3日休日を取ったクロエはロー達と会っていて、再会の第一声が酷い言われようだった。
確かにここ最近は続々と上陸する億超えルーキー達の対策に駆り出されて忙しい毎日だった。
それに加えてポーネグリフの件から夢見が悪く眠れず、常に寝不足だった。
だがここは変装など得意なクロエ。
化粧で表面上はいつもと変わらない姿をキープしていたはずだった。
「なんでわかるの…」
「そりゃ、幼馴染みクオリティ?」
シャチが頭をグリグリ掻き回すように撫でるのを払いのける。
被ってきたヅラが崩れるからやめて欲しいクロエはシャチから距離をとりペンギンの横に立った。
「そんな激務なわけ?」
「お陰様でね」
ペンギンに嫌みで返したクロエは大きくあくびをする。
今日も明け方に魘されて起き、そこからは眠れなくなって結局起きていたためとても眠い。
「とりあえずご飯食べに行かない?ボクお腹すいた」
「そうだなー…クロエおすすめの店とかある?」
なに食べたい?と聞き返せばローから「麺」と返ってきた。
「麺ね…よし、案内しよう」
美味しかったお店を思い出しながらみんなを案内するために歩き出した。
案内したのはひっそりと路地のすみに店を構える蕎麦屋。
地元の常連に愛され残るその店は観光客は少なく、またお昼時間を過ぎていたため人が少なく穴場だった。
広い席に案内されみんなそれぞれ好きなものを頼む。
「クロエ、後から追加するの?」
「え?」
注文を終えたクロエに不思議そうな顔をしたベポが問う。
みんながクロエを見ていてベポと同様の顔をしていた。
「いや?私の分は一緒に注文したよ」
「一人前な。お前はそれじゃぁ足りねェだろ」
ローが言えばみんな頷く。
「あぁそういうことね。ここ来る前にたらふく食べてきたよ。軍の食堂でね」
そうなんだ、とかそれじゃなきゃ足りるはずがないよなと笑う幼馴染み達。
それに合わせていればすこし鋭い視線を向けるロー。
「本当だよ?」
「…そう言うことにしてやる」