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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子



私は先輩がパソコンを少し触ってる間、手鏡で髪をさっと直した。


少しして思わぬ身軽な格好で先輩がこちらへ来て、

「あれ?先輩荷物は…?」
「あー、俺残業だからちょっと息抜きに出るだけ」
「私邪魔じゃないです…?」


先輩を見上げながら聞いてみる。
浮かれすぎて先輩が忙しいのに私のためにこんな風に言ってくれてるんじゃ…


「がいてくれたらなんか飯美味くなりそうじゃん?」
「(好き!)そ、そうですか?照」
「はは、お前は変わんねーな」
「むむ!それは先輩でも聞き捨てなりませんよ!」
「いい意味で言ってんだよ、ばか」
「良い意味ですか、、ふふ」


その後は先輩の行き付けの居酒屋へ。
軽く乾杯をして(お互いノンアル)、プチ歓迎会。
先輩がCCGに入ってからはほんとに会えなくて、生の滝澤先輩…やっぱり素敵…。

じーっと見てたら先輩が私の視線に気付いた。
「?なんか、付いてる?」
「…ここにお米が…」
「ん?どの辺?」
「…あ、えと、なくなりました」
「?」


見とれてる事をバレそうになったので嘘をついてしまった。


「先輩!今度またご一緒していいですか?」
「うん、そうだな、お前んとこも忙しくなってくるだろうけど行ける時は連絡するわ」
「はい!!いつでも!!」
「ばか!!すごく忙しくなって俺の誘い断るようになるぞ」
「なんとしてでも終わらせるように頑張ります!!!」

私が大きな声で言うと苦笑いして先輩は私の頭をポンポンした。
きゅーん。


「最初は分からない事多いと思うけど、お前はお前のペースでやれよ。ま、俺もまだまだ下っ端だからそんな偉そうな事言えねーけど」


「ありがとうございます!!やっぱり先輩と一緒にいると私、すごく頑張ろう!!って思えます」


「そっか、よし、そろそろ行くぞ。お前家近いの?」
「あ、はい!1駅のところなので!」
「そっか、まあまだ人通りもあるし、気をつけて帰れよ」
「はい!先輩もあまりご無理せずに…あ!疲れたら私の家にいつでも寝に来てください」

「おまっ!!ばか!女の子なんだからそんなこと軽く言うもんじゃないぞ、ほんとに…気を付けて帰れよ」


先輩は後頭部をぐしゃっとしながら、私に少し説教をすると手をヒラヒラと振って支部へと戻って行った。
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