第2章 花笑み 琲世
お店から出る時も、琲世はあの女の子の方を少し気にしてた。
私はなんだか堪らなくなって走った。
ああああああああああああああああああああ、無理だ。
私は無理~~!
やっぱり琲世のとこ泊まるのやめる!!
絶対泣いちゃう!!!!
そう思ったらもう私は自分の家に全速力で帰宅してた。
シャトーと私の家は徒歩で15分圏内。
ちなみに有馬さんのお家は私の家から徒歩で10分圏内である。
今日は琲世と一緒に過ごして癒されようと思ってたのに、なんでこうなったかなあ。
何あの目。
私は琲世にあんな顔で見つめられたことない。
私って女らしいとこがないのかなぁ。
有馬さん、恋バナとかしたらなんて言うかな~。
琲世のことが好きになっちゃったの?
琲世はボクのクインケだよ?ニコニコ。
とか、会話にならない会話になりそう。
玄関でぼーっと座っていたら、玄関のドアが開いて琲世が入ってきた。
「?!琲世…、ここ私の家だよ」
「足速すぎ…、はァ、が今日は泊まるって言うのに自分の家に帰るから追っかけて来たんでしょ…」
琲世の汗が顎からぽとりと堕ちた。