第2章 花笑み 琲世
私たちは新しく出来た喫茶店へ訪れた。
店名は:re
お店に入ると中年のイケメンさんがカウンターにいて、入った瞬間に変な空気が漂う。
そのイケメンさんに奥から声がかかり、女の子が出てきた。
私たちと同じくらいの年齢の黒髪の女の子。
琲世と、その子は見つめあってた。
琲世の瞳が揺らぐ。
ああ、人ってこうして恋に堕ちるんだと瞬間に理解してしまった。
「ブラック2つお願いします」
私が注文を大きめの声ですると、2人の意識は逸れた。
でも、琲世の意識は女の子の方に残ったままだ。
珈琲を飲んだ後も琲世は少し目を潤ませていた。
…これは、私の勘だけど琲世が琲世じゃない頃と関わり合いがあるのではなかろうかと思った。
「琲世……、琲世!!!」
またもや大きい声を出した私に琲世はビクッとした。
「何!」
「琲世のバカ!」
「え?何?どうしたの?」
琲世は困った顔をしながら私を見てる。
私も黙って琲世を見つめた。
私がぷいと顔を背けると、琲世は困った顔のまま私を見てた。
困った妹だなーくらいに思ってるんだろうな。
「変態琲世」
「何に怒ってるの?」
「うるさい琲世」
「?」
珈琲を一気に飲み干して、レジに伝票を持って立つ。
そしたら琲世がびっくりしたみたいに走ってきて、伝票をパシッと奪った。
「琲世!私が払うから、ゆっくりして行きなよ」
「一緒に来たのに別々に帰ることないでしょ」
「別に普通でしょ」
「もういいから」
口喧嘩をしながらも、お会計は琲世がしてくれた。これは、妹だから俺が出さねば的なやつなのかな。