第2章 花笑み 琲世
私と琲世は少し特殊な環境下で過ごしている。
琲世は有馬さんとの闘いの後に記憶を無くし、コクリアで過ごした過去もある半喰種。
そのあと、零番隊で有馬さんから戦術指導を受けて今はメンターをしている。
私は14歳まで喰種に育てられ、その喰種をCCGに駆逐され、保護された。
保護と言えば聞こえはいいが、私は親を失ったように感じたし当然駆逐した有馬さんを恨んだ。
一時期はアカデミージュニアに入ったが、乱闘騒ぎを起こしすぎて先生方が手に負えないとCCGに連絡が行き、有馬さんが私の親代わりとなった。
私にも戦術指導をしてくれ今に至る。
私は今は平子班へ所属している。
喰種でありながら、剣道の師範であった私の育ての親はよく私に稽古をつけてくれてた。
そのおかげか私はちょっと強いらしい。
琲世と出会ったのは、有馬さんのお家でだ。
琲世は年上なのにちょっと子どもっぽくて、無邪気で、有馬さんに懐いていた。
私はとても反抗的で暴れん坊だったけど有馬さんは優しかった。
ある日を境に、有馬さんのことは第2のお父さんだと思うようになった。
たまにお父さんって呼ぶとはにかむところが、なんでか心をぎゅうっとされた感覚になる。
2年間は3人で家族のように過ごした。
私と琲世は真逆の性格だけど仲良く過ごせたし、どちらも有馬さんを慕っている。
でも、特に有馬さんは琲世を可愛がってるんじゃないかなー。
戦術指導の回数も琲世のほうが倍くらい多い。
ずるい。いいなあって思ってしまう。