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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子



もぐもぐご飯を食べながら、ナキくんと談笑。

何故か仲良くなってしまった。

あまり言葉は知らないみたいだけど、教えてあげながら会話する。


「で、滝澤とお前はこれからどうすんだ?」


「どうするんだろう。私はね、これまで滝澤政道っていう人間に恋をして、捜査官になったの。でも、彼が喰種になって今苦しんでる。その苦しみから助けてあげることが出来るなら何でもしたい…かな。」


「助けるってのはすげーことだよな、俺はアニキがいなくなって、神が目の前からいなくなったから、毎日毎日涙が止まらねぇんだ。だけど、神アニキに誇れる自分でいたいから泣いたあとは絶対に前を向いて、昨日よりも前に進みてぇ!」


力強くそう言ったナキくんは、すっごく強い。


「ナキくんみたいに私も強くなる!」

「で、お前はハトの中だったら何番目に強いんだ?」

「え~、難しいこと言うね~」


なんて話してたら部屋に政道さんが入ってきた。


「あ、滝澤。」
「えらい仲良くなってんだな」


ひえ…、怖い顔してる。


「政道さん、おかえりなさい」
「ああ」

暗い顔してる。


「こいつ、お前の事ばっかり喋って煩かったぞ」

ナキくんが私を指さす。

「ちょ、ちょっと!ナキくんだってヤモリさんの話ばっかりだった癖に!」

「それはヤモリのアニキがすげーのを教えてやりてーからだ!」

「私だって、政道さんのすごいとこナキくんに教えたかったもん!!」


言い争っていたら政道さんがすごい呆れた目をこちらに向けてた。

あ、昔も政道さんにひっついて回ってた時この顔してたな~。


「お前ら精神年齢似てるんだな」


「いやいやいやいや!!!ナキくんの方が弟ポジションでしょ!」

「はあああ?!俺にはアニキがいるからお前みたいなアネキはいらねー!!」


「わかったから、もうナキは出ろよ」
「あー、こいつ黙らせとけよ、滝澤」


部屋から出ていくナキくん。
ほんのり怒ってる政道さん。

どうしよう。
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