第1章 花信風 滝澤 /平子
政道さんがベッドの近くに来る。
私はちょっといたたまれなくて正座。
「…なんで正座?」
「…えっと、政道さんが怒ってるから…」
「別に怒ってねーよ」
「怒ってる」
「…怒ってるのかな、怒る資格なんてねーのに」
「…」
政道さんの顔を見ると、また深刻そうな顔。
「政道さんは、真戸さんと私どっちが結局好きなの?」
「は?」
「だから、真戸先輩!と、私!」
「…なんで真戸が今出てくるんだよ」
「今っていうか、ずーーーーーっと避けてきたけど今聞きたくなっただけ」
「…、真戸の事は確かに、好きだったよ。でも、CCGでに再会してからは真戸のことは恋愛とは違うって思えた。憧れだった。こいつみたいになりたいって俺は思ってた。でも、俺が守りたいのは前も、今もだけだ。」
目が合う。
ずっと聞きたかったけど、聞けなかった事。
ちょっと信じれない。
それくらい嬉しい。何かが込み上げてきて黙って俯いてたら
「おい、なんか言えよ…」
と、政道さんの指が私の顎を上に向ける。
ぽろぽろと、涙が落ちてゆく。
「うう~、政道さん…」
私が抱きつくと、政道さんも控えめに抱き留めてくれた。
「怖くない?」
「もちろん、怖くないです」
そのままゆっくりベッドに倒された。
「今日…一緒に寝ていいか?」
「はい」
久しぶりに抱きしめ合いながら眠りについた。
「政道さん、もう離れないで」
「ああ、もう離さない」
よしよしされながら、政道さんのぬくもりを感じた。
fin.
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あとがき
この度はこの作品を読んで頂いてありがとうございます。感謝。
遅咲きですが喰種にハマり、特に政道さん切なすぎる!!
と、思い、出来れば幸せになって欲しいと書き始めた物語です。
ただ、作者が丈さん推しなので途中かなりグラグラしてしまいました!!本末転倒になるところでしたが、無理やり立て直しをはかりました…。
駄文ではございますが、今後もちょこちょこ書いていこうかなと思うのでお付き合いよろしくお願いします(、._. )、