第1章 花信風 滝澤 /平子
トコトコと、歩いてくるその人は白いツヤツヤの肌に独特な縫い目と、綺麗な白髪。
女の子みたいに可愛いけど、男性だよね?
「本日よりお世話になります。です。鈴屋先輩よろしくお願いします。」
と、頭を下げると鈴屋先輩はトコトコトコトコ歩いて、鼻が付きそうなくらい近くに来てから、私の首元をくんくんした。
「ひゃ、」
「いい匂いがするです~、甘いもの持ってるですか?」
先輩は私より少しだけ高い身長だけど目線を合わせて聞いてくる。
「あ!はい!クッキーはお好きですか??」
と、言うと鈴屋先輩はにっこり笑って
「大好きです〜」
と言うので、カバンの中から今朝作り立てのクッキーを出して鈴屋先輩に渡した。
「今朝作ったからスーツに匂いついてましたかね?」
「ふふ、凄くいい匂いです」
(鈴屋先輩…か、可愛いい)
「篠原特等も甘いもの平気ですか?」
「ああ、好きだよ。頂いても?」
「勿論です!!!沢山食べてください!!」
ドサドサ渡すと篠原さんは苦笑いになってたけど、それでも1個食べてくれてすごく美味しいと褒めて貰えたから嬉しい。