第1章 出会い
「お邪魔しま……じゃなかった、ただいま~」
違った、ここは今日からわたしの家になるんだった。
慧太くんを横目で見てみると、彼はくすり、と静かに笑っていた。わたしが思っているより笑い上戸さんなのかな……?
それから2人揃ってわたしの部屋に移動し、慧太くんがぱぱっと本棚を組み立ててくれた。
「……これでいいかな」
「慧太くん、ありがとう」
わたしがそう伝えると、いえいえ、と謙遜する彼。こんなこともこなせちゃうんだなぁ…だなんて感心してしまう。わたしってば慧太くんのこと、まだ何も知らないんだな…