第1章 出会い
1階へと向かう水城さんに着いていく。
リビングに着くなり、わたしと彼は向かい合ってソファーに座った。さっきは自分の部屋しか見てないから知らなかったけど、リビングも広い割に物が少ない。シックでおしゃれだなぁ…
水城さんと話し合った結果、結婚するといっても籍を入れるのは両家への挨拶が済んでから、忙しくても1週間に1度はふたりで共通の時間をとることが決まった。
あとは…そうだ。
「…あの、呼び方ってどうしますか?」
「え?」
「なんか…一応結婚してるのに名字で呼ぶのは変ですし…それに」
同い年なのでそろそろ敬語もやめてフラットに呼んでみたいな~と思いまして……なんて口にしてみる。
「…いいですよ。ね、那子ちゃん」
水城さんの返事は軽かった。だけど、21にもなって“ちゃん”付け…
「さすがに恥ずかしいので“ちゃん”付けはやめて…!」
「そしたら…那子さん、にする?」
「それで……お願いします…」
わたしは慧太くんって呼ぶね、と言うと彼は微笑んだ。ほんと、名前に負けない綺麗な顔してる…