第1章 出会い
「え、えええ??一緒に住むって…」
同じ屋根の下に、ふたりきりってことだよね…
「結婚したら一緒の家に住む……のが普通じゃないですか……?」
違う?と首を傾げる水城さん。いや、その認識は合っているとは思うけれど…どう考えても早すぎない?
わたしが思考を巡らせていると、水城さんから小さく畳んだメモを渡される。
「それ、僕の住所です。待ってるので」
それじゃあまた明日会いましょうね、と彼は穏やかに微笑んで歩き出した。話がとんとん拍子に進みすぎでしょ……
「……仕方ないよね」
わたしは渡されたメモを見つめ、ひとり呟く。
プロポーズの返事はもうしちゃったんだから。明日、行ってみるしかない。