• テキストサイズ

うちの旦那が可愛すぎる。

第5章 距離


「篠宮さん、ちょっといい?」
「は、はい!」

結城さんに呼ばれて、別室に移動する。
わたしが突拍子もなく結城さんに呼ばれる理由って何だろう…?
昨日の案件は真子が片付けてくれていたみたいだし、うちの部署に大きな仕事が舞い込んだという噂もないはず。

部屋の扉がパタリと閉まる。

「結城さん…?お話ってなんでしょうか」
「あのさ、その指輪…」
「これ…ですか?」

結城さんが指すのはもちろん、わたしが慧太くんに貰ったものだ。

「…篠宮さんって、彼氏さんとか居たっけ?」
それともただの虫除けとか?と怪しい笑みを浮かべる結城さん。
虫除けなんかじゃない。これは、大事な大事な、わたしと慧太くんを結ぶもの。

上司とはいえ指輪を馬鹿にしたこと、もちろん許せないけれど、それよりもこの人…怖い。
直感でそう悟った。
逃げなきゃ、何されるか分かんない。


「あの、何もないならわたしはこれで」
まるで何も無かったかのように仕事に戻ろうとすると、腕を掴まれた。


「俺は、篠宮さんのことが好きなんだよ?」
「…は…」
「俺にしとけばいいのに、ね?」

わたしの隙をついて結城さんは手を引く。
彼の顔が近づいてくる。


嫌だ、怖い…
助けを呼びたいのに、声が出ない。


誰か助けて…!
/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp