第4章 約束
帰宅して、彼の部屋に手を引かれて連れられる。
まだ狭いままのベッドに2人並んでちょこんと座ると、慧太くんが紙袋から買ったばかりの指輪を丁寧に取り出した。
「那子さん、左手、出して」
言われるがままに手を差し出すと、彼はわたしの左手薬指にキスを落とした。
「なっ…!慧太くん……!?」
ぽぽぽ、とゆでたこのように顔が熱くなるのを感じる。そんな、急にキスだなんて……
「…那子さん、大丈夫?」
「だいじょうぶじゃ、ないです……」
彼を見ると、なんだか余裕そうに微笑んでいる。こんなにドキドキしてるのはわたしだけ…?
「…慧太くん」
「……?」
「慧太くんは、わたしのこと、どういう風に想っていますか……?」