第2章 ふたり
そんなお話をして、晩ごはんの時間はあっという間に過ぎていった。
ごちそうさまでした、と2人で声を揃える。昼ごはんの時と同じまた2人でお皿を洗い終えて、さぁ寝ようと思った時、そういえばと気がついてしまった。
彼から部屋は貰ったのはいいものの、ベッドは取り付けられてなかったのだ。
「慧太くん……わたし、寝るとこない……」
声を掛けると、彼はやっと気がついたらしい。本棚は買ってきたのにベッドはないって…慧太くんってば、天然……?
「ん~……どうしよう…今日は那子ちゃんが僕のベッドで寝る……?」
「いやいや……!!それじゃあ慧太くんはどこか別の場所で寝ることになりますよね…?」
「僕はソファーでも全然構わないよ?」
明日はお仕事ないし、僕は多少寝不足でも大丈夫だから、と慧太くんは言うけれど、わたしがベッドで家主がソファーで寝るなんて…いくらなんでもそんな訳にはいかない。
「…こうしましょう」
暫く考えた後、わたしは慧太くんの手を取って彼の寝室へと向かった。