第2章 ふたり
隠しててごめんね、と慧太くんは言ってくれる。
隠してたも何も、まだ出逢ったばかりだから仕方ないか。とはいえ、わたしと慧太くんは結婚してる関係…あまり隠し事は無い方がいいよね。
「ううん!少しびっくりしただけで…大丈夫だよ。言ってくれてありがとう」
「ほんとにごめんね…隠してないと、お金目当てで寄ってくる女の子がいてね……」
そっか、と腑に落ちる。おそらく、過去にそういう出来事があったのだろう。慧太くんが自分の地位を隠して生きていこうとした理由。
……わたしってば、考えすぎかなぁ…
「話を戻すと…那子さんは明日お仕事なんだよね」
僕は家でご飯を作ったり、洗濯物を畳んだりしておくね、と提案してくれた。わたしが仕事だと家事が片付かないし、ひとまずは慧太くんに任せることにした。