第2章 ふたり
「お待たせ!」
先に食べてても良かったのに~…、と彼に言うと、2人で食べた方が美味しいでしょ?と返される。慧太くんって、良い家庭で育ったんだろうなぁ…とてもじゃないけど、わたしだったら先に食べちゃうかも…
「いただきます」
「わたしも、いただきます」
テーブルに向かい合って手を合わせる。
「どう、かな……?」
「ふふ、美味しいよ」
そんなに不安にならなくても…と微笑まれる。
「良かった~…慧太くんのお料理が美味しかったから、わたしのは少し自信がなくって…」
「そんな……!!僕は那子さんの料理、すごく好きだなぁって思ったよ」
その言葉を証明するように、彼は一口一口、丁寧に料理を口に運んでいく。
そんなに喜んでくれるとは思ってなかったな。作って良かった…
「……ところで、わたしは明日お仕事があるのだけど、慧太くんのスケジュールとか…どうなってるのか教えて貰っていい…?」
慧太くんとは昨日出逢って、今日はほとんどの時間を一緒に過ごした。いきなり結婚したにも関わらず、こんなに一緒に居られるのはよく考えてみれば不自然…なのかもしれない。だから、彼の事情を少し、聞いてみたかった。