第2章 ふたり
わたしは起き上がると、また慧太くんのところへ向かう。
リビングでのんびりくつろいでいる彼に声を掛けた。
「なぁに、那子さん」
「えっと、慧太くんは普段、ご飯とお風呂のどちらが先ですか…?」
それを聞いた彼は一瞬考えた後、お風呂かな、と返してくれた。
「それじゃあ、慧太くんがお風呂に入ってる間にぱぱっとご飯作っちゃうね」
「え、ほんと?那子さんが作ってくれるの?」
お昼ごはんの残りと冷蔵庫にある材料で作るから、ありあわせのものにはなっちゃうけど……とわたしは付け足す。
その言葉に、慧太くんはにこりと微笑む。
お昼ご飯の時に『那子さんの料理が食べてみたい』だなんて言っていたから、嬉しい感情を持ってくれてるの、かな……?上手くできるかは分からないけれど…とりあえず頑張ってみよう。