第2章 ふたり
「んんっ……」
……もしかして、今ので起きちゃった……?
わたしの予感は当たっていて、その瞳とぱちりと目が合った。
「那子さん、おはよう…」
にこ、と笑う彼の寝起きについ心臓が高鳴る。
おはよう、と返すとふわりと頭を撫でられる。あれ、わたし何かしたっけ…?
「知らない間に那子さんの肩にもたれてたみたいで…」
ごめんね、と彼は謝ってくれる。キスをしたことはバレていないのかな…もしあの時に慧太くんが起きていたならすごく恥ずかしいけれど、そんなこと聞けないし…
「ううん、大丈夫」
……本当は、すっごくどきどきして全く大丈夫じゃなかったけれど。