• テキストサイズ

【イケメン王子】野獣なジンさん(R18)

第9章 おはようのキス


「お、ロロ、早いねぇ。おはようさん」
会議室に着くと、ジンさんがいた。
「おはようござい、ます」
心臓がドキリと跳ねる。
まだ、他のメンバーは揃っていないのか、広い会議室にジンさんだけがいた。
「おいおい、俺見てそんな怯えなくてもいいんじゃないの?」
「怯えてませんよ?」
あはは、と曖昧な笑いを浮かべながら少し逃げ腰になっているのを見抜かれている。
「ふぅん」
ジンさんの鷹のような目がチラッと細くなったような気がする。

「えぇと、会議に用意するもの準備しますね」
会議室の隣の小部屋にたしか、準備物があったはずだ。会議室にジンさんと2人だけでいるという緊張感に耐えられなくて、私は小部屋の方に引きこもることにした。
待ってる間に他の王子達も来るだろうし。

小部屋に入って机の書類やらを整理しながら、私はドキドキと高鳴る胸を押さえていた。
ジンさんにはすでに何度かなし崩し的に抱かれてしまっている。私が好きなのはレオンであるということを知った上で抱いてくる、本当に無茶苦茶な人だ。ただ、最近は公務が忙しいのか、会うことも無く平和に過ごしていたところで、久しぶりに会えたのが今日だった。
この胸がドキドキしてるのは、別に恋ってわけではなくて、多分本能的に危険を察知した小動物の気分なだけなんだろうとは思う。
よりによってそんな危険な人と、朝の時間とは言え
2人きりになるのは心臓に悪い。。。

バタンッ
突然小部屋のドアが閉じる音がした。
「ひゃぁ!?」
「だから怯えすぎだっての」
小部屋のドアの前に立っていたのはジンさんだった。
「ジンさんっ!?」
「誰も来ないから退屈じゃないかロロ?」
ガチャリ
と小部屋のドアの鍵が後ろ手に締められる音がする。
「い、いえ、とくに退屈とかは」
「俺は退屈なの、ロロ」
ジンさんが距離を詰めてくるので、思わず立ち上がり逃げようとするも、狭い部屋の中すぐに距離を詰められ壁際に追い詰められる。

「こんな部屋に入って、来てくださいって言わんばかりじゃないのロロ」
「い、いえ」
「誘ってたな?」
「誘ってませんから!」
/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp