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【イケメン王子】野獣なジンさん(R18)

第7章 賭け


要するに、酒場で酔っぱらったりしないように気をつけて、ジンさんにお持ち帰りされなければいいだけのことなのだ。私だってもう20歳も過ぎて、多少ならお酒は飲める。飲んだフリしてなんとか夜までにはお城に帰ろう。私は密かに決意していた。

酒場に着くと、そこは騒々しい下街の酒場だった。街に居た時も、ここの近辺には立ち寄ったことがない。こんなところあったんだ。。私が酒場の中で居心地悪くキョロキョロしてると
「なんか、緊張してるな?ジンさんがほぐしてやろうか?」
ジンさんが顔をグイッと近づけてくる。
「ジンさん、、その言い方オジさんみたいですから、やめた方がいいですよ?」
すかさず釘を刺す。ジンさんのペースに巻き込まれてはいけない。
「言ったな、ロロ?・・・まぁ、いいや。今日はここで取って食いやしないよ。」
「今日はどうしてここに連れてきたんですか?」
私は最大限警戒しながらジンさんに聞く。
「そうだな、ま、城での暮らしもちょっとお上品過ぎてつまんないだろ?たまにはこういう店で食うのも美味いんだぜってのを教えたくてな」
ジンさんはニヤッと色気のある目でこちらを見てくる。
「自分の舌で確かめてみな?」
そういうと、店員のお姉さんを呼び止め、あれやこれや料理を注文し始めた。

「美味しい・・・」
ジンさんが注文した料理が運ばれてきて、一口食べて私は思わず口に出してしまった。お城で出される凝った料理ではなく、酒場の料理として豪快に盛られた料理の数々に舌鼓を打つ。
「このベーコンとか本当美味しいです」
美味しい料理を前に私はすっかり気が緩んでしまった。

お腹一杯になった頃、
「この店は特にラズベリー酒が美味いんだぜ?」
ジンさんが可愛い赤色のお酒が入ったコップをくるくる回して言った。お酒がキラキラと輝いている。
「ただ、こういう酒はお嬢ちゃんにはキツイからな、飲むのはお勧めしない」
年長者からの忠告だ、とジンさんが笑うけど、私はラズベリー酒の甘い匂いに興味を持ってしまった。

「この酒はここでしか飲めないけど、どうする?」

結局、その言葉に乗せられて、一口なら大丈夫かなと飲んだのが運の尽きだったらしい。
意外とお酒っぽくなくて、ついつい飲んでしまった。意識を失った瞬間は覚えてないが、ふわふわとしたいい気持ちに包まれていた。

***
気がついたら私はベッドの上にいた。
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