第7章 賭け
「ほい、俺の勝ち」
ここは城の談話室。
ジンさんとレオンがポーカーで戦っていて、先ほどジンさんが3連続でレオンに勝ったところだった。
なお、この勝負の景品は何故か、私との一日デート権になっているらしい。
「ぐっ、、何で勝てないんだ。。。」
レオンが心底悔しそうな顔をしてうめく。
「お前さん単純なんだよ」
ジンさんは上機嫌に笑ってる。
「ぐっ。。。」
レオンがちらりと、私の方を見る。
「ロロ、すまん。。負けた」
「ていうか、なんで私がポーカーの景品になってるんですか!」
私が抗議するも、
「だめだ、これは神聖なルールに則った騎士道の勝負なんだ。今更ルールを変えることはできない。。」
などと、ジンさんが神妙な面持ちで告げてくる。
「いえ、意味わかりませんから!!」
「まっ、そーいうことだから、今日はロロ借りてくからな」
「夜になるまでには返せよ」
「心外だな、俺は紳士だぞ?」
私、ジンさん、レオンの三人がバラバラに喋るので埓があかない。
「ちょ、ちょっとこれからロロをどこに連れてく気!?」
近くにいたイヴがあわててジンさんに詰め寄る。
良かった、この子はまともだ。
「騎士道に則ったポーカーに勝って、ロロとのジンさんお気に入り酒場デート券を勝ち取った」
「あーそういうこと。。」
イヴが私の方を同情を込めた目で見てくる。
「そりゃ仕方ないね、ロロ頑張ってね。。」
「?」
あれ、なんかイヴくん、ちょっと引いてない?
「ジンの好きな酒場ってあそこでしょ?僕苦手だな。」
ポーカーの勝敗結果ってそんなに決定権のあるものなの?
ジンさんのお気に入り酒場って、一体どんな酒場なんだろう。
「まっ、ジンさんがいるから安心しな?何かあったら俺がお前さんを絶対守ってやるからな」
ジンさんはうんうんと頷きながら言う。
「この世で一番それを言っちゃいけない人物が言わないでよ。。」
イヴがジト目でジンさんを見ている。
そして、私の方を振り向くと
「ロロ、街には警備兵もいるから、何かあったら頼るんだよ?」
と同情するような目で見てきた。
「なんでジンさん、そんなに信用ないかね」
「日ごろの行いだろ」
ワイワイと勝手なことを言う王子たちを見ながら、私は人知れずため息をつき、ジンさんと酒場デートをする覚悟を決めた。