第1章 再会・再開
「5日帰ってねえから少し埃が溜まってるかも知れねえが文句云うなよ」
中也はそう云って、中に入る。
「嗚呼、矢っ張り埃くせえな。一寸待ってろ」
中也はリビングへ行き、軽く掃除をして太宰を部屋に通す。其れから太宰の好きな紅茶と珈琲をいれてソファに座った。
「変わってないね、部屋。…マグとかお皿、棄てなかったんだね」
「…!も、勿体ねえからな。棄てる必要は無かったんだよ」
嘘。本当は太宰を忘れられず、取っておいたものだった。太宰はそんな中也の気持ちを見抜いたかニヤリと笑みを浮かべ乍ら紅茶を飲む。
「ふぅん?まァ私も同じなのだけど。勿体ないものねぇ?」
「手前、判って云ってンだろ!…あ」
「うふふ」
してやったりとにまにまと気持ち悪い笑みを浮かべる太宰。最初から中也を揶揄う積もりだったのだ。けれどその笑みの中に少し、嬉しさが混じっている事に中也は気づいてしまった。
「ねぇ中也」
「あ?ンだ…!」
太宰に名を呼ばれ、顔を上げると迚も真剣な表情で彼は中也を見詰めている。
そこから、会話は無かった。互いに惹かれ合う様に顔を近づけ、ゆっくりと唇を重ねる。四年ぶりの接吻は、甘い紅茶の味がした。
次第に接吻は深くなっていき、太宰の舌が中也の口腔をまさぐる。歯列をつーッとゆっくりとなぞられ、、更に上顎まで舐めあげられて仕舞えば、もう中也は声を抑えられなくなって、艶かしく嬌声を洩らす。
「ん、ふ…ン、ぁ」
長い接吻から漸く解放された中也は既に蕩けきった顔をして、頬を赤く染めている。太宰はそのまま中也をソファに押し倒し、更に唇を重ねる。接吻をし乍ら右手は中也の全身に這わされ、上からひとつ、またひとつ釦を外されていく。
そして中也はされるがままに脱がされ、もう下着しか身に付けていない。
太宰は小柄だが確りと筋肉の付いた中也の体を見詰め、撫でていく。次第に硬くなっている胸の突起をきゅっと摘んだ。
「ン…だざ、い」
中也は甘い吐息をふっ、と零し、堪らなくなって涙の溜まった、そして、情欲に染まった瞳で太宰を見上げる。そんな瞳で見つめられた太宰は艶やかな笑みを浮かべ更に突起を苛める。
「ふ、んぁ…ん、ぅあっ」
完全に勃った其れに舌を這わせ、更に苛め、中也の反応を太宰は存分に楽しむ。
「あ…も、太宰、触ってくれッ」
「ん?何処を?云わないと判らないよ?」