第7章 遊びのくせに【フロ監】
「…なぜフロイドはだめなんだ?」
「ダメとかではなくですね、あくまでもったいないというか…」
「仔犬には、か?」
「先輩って身長高くてイケメンじゃないですか。性格は少し怖いけど優しい時も無くは無いですし。」
「じゃあありなわけだな」
「…ま、まぁ…ありというか…はい…」
「俺は良いと思うぞ。」
「そうですか…」
「…じゃあ俺は会議があるからここを空ける。好きな時間に出て行くといい。」
「えっ鍵とかは…」
「預けてある」
「?どういう…」
「頼んだぞ。フロイド」
「!?」
「はぁ〜い」
奥のソファから手だけを出してひらひらと振っている先輩。
あの声からして寝起きっぽいな…
いや、寝起きならもっと機嫌が悪いはず。分からないけど。
「せ、先輩…?…わっ」
「小エビ…小エビちゃんだぁ…」
「あ、あの…」
「ん〜?なぁに〜?」
「先輩もしかして熱とか…」
「あ〜…熱っていうのかなぁ〜なんかだりぃ〜」
「絶対熱ですよ…身体があっつい…」
「小エビちゃんの手ぇ冷たくて気持ち〜」
「…無理はしないでくださいよ」
「してねぇって…あ〜…だりー…」
「待ってて下さい。今おしぼりをっ…!」
「…だめ」
「え、でもしんどいままで…」
「小エビちゃんがいてくれれば治る」
「そんなこと…わっっっ…!」
「…落ち着く」
「…はぁ…」
フロイド先輩は私を抱きしめたまま再び眠りについてしまった。
いつも怖い先輩だけど今日は少し幼く見える。
まつ毛が長いなぁとか、髪の色がすごく綺麗だなぁとか。
「…フロイド先輩は私を本当に好きなのかなぁ…」
そう、思った。