第6章 そんな君だから【エー監】
まずい…聞かれた…?いやでも聞かれてもいっか…
「ユ、ユウ…」
「ん…えーす……?」
「そーですよー。…まだ寝る?」
「んん…眠い…いまなんじ…」
「んー。大体5時くらい?」
「……寝る…」
「まじかぁ〜…いーけど。」
そう言うとまた寝てしまう。
寝起きの顔見れるなんて俺だけ特別感あるじゃん…
暇だしうろうろすっかな…
そう思いふとキッチンの近くのテーブルに目を移すと…
「…え」
可愛くラッピングされた袋。
しかも1つ。
え、本命、ってヤツじゃない?
「誰宛てだよ……………」
俺じゃん。
なんだ。俺の分あったんじゃん。
…え、本命?
俺が本命なの?
「ちょっユウ………あぶね」
寝ているユウを起こしてまで言うことでもないか。
まだ本命と決まった訳でも無いし。
「てっきりトレイ先輩が好きなんだと思ってたんだけどなぁ〜…」
もちろん嬉しい。
けど俺はユウの事を好きなのかどうかまだ分からない。
「…あれ、えーす…?どしたの」
「あ、あー…ユウが寝たからここまで連れてきてー、1人じゃ危ねーからしばらくいよーと思って。」
「ん…ありがと…」
しばらく経ってからユウが起きてくる。
目を擦り、足取りはまだおぼつかない。
「なぁ、ユウって好きな奴いんの?」
そう、不意に聞いていた。