第2章 『先輩』じゃなくて【ケイ監】※微裏(仮)
「……オレンジ」
「っ…!」
ふと私の首元に顔を寄せると、ポツリと呟いた。
「そ、そうなんです!分かります?」
「もちろん。俺もその香水のブランド好きだからね☆」
そう言って首元から離れると、頭を優しく撫でてにこりと笑った。
ケイト先輩って香水とは別に柔らかい香りがする…気がする。
「全く…朝からいちゃつくのはやめて欲しんだゾ。」
「グ、グリム……!!」
「ごめんねグリムくん〜ほんと俺の彼女ちゃん可愛いよね」
「話通じないんだゾ?」
朝からなんてこと言ってくれるんだケイト先輩…!
真っ赤になった顔を隠しながらそっぽを向いてしまう。
「ユウちゃん〜ごめんね照れちゃった?」
「て、照れてません……!!」
「誤魔化さなくていいのに…っふふっ…可愛いっ…」
「やめて下さいよっ…………」
ごめんね、と手を繋がれて学校へ向かう。
朝のこのひとときがとてつもなく幸せなんだと、嬉しいんだと感じる。
そんな事ぜっっっっっったいケイト先輩には言わないけど。