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明日も君の隣で【twst】

第3章 ケーキより甘く、タルトより苦く。【トレ監】※裏


「…あの…トレイ先輩…」
「なんだ?」
「…すみませんでした…色々と……」

やっぱりちゃんと謝っておきたい…たとえ愛想を尽かされてたとしても…。

「…ユウ」
「……はい…っ」
「俺も悪かったんだ。あまり気にするな」
「…っ…ぐずっ…」
「スープ飲めるか?」
「はいっ…」

体を起こしてもらい、スープの器を受け取る。

「いただきます」
「あぁ。…熱いから…」
「…!?あっっっっっっつっ…」
「言わんこっちゃない…口、火傷してないか?」
「は、はひ…っ」

トレイ先輩の指が唇に当たり、この前の出来事を思い出してしまう。

「…火傷しているな…すまない……」
「いっいいえっ」
「一応水を飲んでおいた方が良いな…」
「すみはへ…!?」
「っ……」
「んむっ…!!!!!」

不意に唇に触れていた指が顎へと移動し、そのまま持ち上げられる。


「トレっ…せんぱ…っ…」
「…は……っ」
「っ……!」

いつものように優しい手に包まれているけれど、いつもと決定的に違う点がある。

(トレイ先輩の目がいつもより真っ直ぐで熱を帯びている…?)



「あっあの…っやっぱり怒ってますよね…?」
「…ああ、もちろん」
「…!……すみません」


やっぱり怒ってる…どうしよう……



「お前はレオナが好きなのか…?」
「!?違いまっ…!?」
「悪いな…お前を不安にさせるつもりはなかったんだが…」
「トレイ先輩……?」


少し目線をずらし、困ったように微笑む。


「…ヤキモチ、妬いてくれたんですか…?」
「そりゃあ俺だって彼女を取られて黙っておくような男じゃないさ」
「…っ」


熱い視線を向けられ、顔を背けられなくなる。


「ユウ」
「…っ」
「…体調が悪いんだから誰か来ても出るんじゃないぞ」
「へ…?」
「もう10時すぎるからさっとシャワーを浴びてくるよ」
「あっは、はい!!!」


さっきの熱い視線は一体…



涼しい顔をして出て行ったトレイ先輩の背中を見送りながら、私は掛け布団を顔の半分まで上げて目を閉じた。


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