第3章 ケーキより甘く、タルトより苦く。【トレ監】※裏
レオナの部屋に着くと、ラギーが部屋の前で見張りをしていた。
「ラギー。見張りか?」
「そうっスよ…あ、ユウくんのお迎えっスか?」
「…ああ。入っても良いか」
「あ〜…レオナさんに一応許可取るっス。」
ラギーが許可を取り終える前に、俺はレオナの部屋に入った。
「あ?」
「世話させたな、レオナ。」
ユウは驚いた顔でこちらを見ていた。
そしてレオナは不機嫌そうに俺を見ていた。——ユウの髪を手で軽く梳きながら。
俺が気に食わなかったのは、ユウとレオナが一緒のベッドで寝ていたこと。それから、レオナはあたかも自分の女かのようにユウに腕枕をしていたこと…
「その割には不服そうじゃねぇか。苦しんでた彼女を手厚く看病してやったってのによぉ?」
「…ああ。すまないな。……ユウ、送るよ。体調は大丈夫そうか?」
「は、はい!だいぶ良くなりました」
「そうか。…レオナ、ありがとうな。」
「…グルルル………」
そう言ってユウとサバナクロー寮を出る。
レオナは気分が悪そうに喉を鳴らしていた。
「…」
「…」
寮を出てから、沈黙が続いた。
しばらく会っていないからだろう。距離感が掴めずにいるのはお互い様だ。
「まだ少し熱があるか?」
さりげなく、そう聞いてみた。
「…いえ…分からないです……」
「そうか…、」
「…!…………」
顔が少し赤く、ふらついているユウを抱えて鏡の前に立つ。
そして寮へと向かった。