第3章 ケーキより甘く、タルトより苦く。【トレ監】※裏
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日にちが変わり朝になった。
今日も頑張ろう…と言いたいところだけれど。
「っくしゅっ…!へっくしゅっ!………ズズッ…」
「ユウ風邪引いたんだゾ?」
「あ〜…そうかも…頭がぼんやりするや…」
「あんまり無理はしない方が良いんだゾ…」
グリムが優しい。泣きそう。
冗談は置いておいて、多分微熱でくしゃみが止まらない。
「グリム…ちょっと休んで行くからクルーウェル先生に伝えてくれる?」
「了解なんだゾ!そこのベンチにでも寝とくんだゾ!!」
「ありがと…」
………だいぶフラフラしてきた…
グリムが言った通りベンチに横たわってしばらく寝ているけど、
全く回復する気配がない…
「…はぁ………」
あれからトレイ先輩とあまり会っていない。
会いたいけど会いたくなくて無意識に避けている…
「…なんか、良いことないな…」
「随分と気持ち良さそうじゃねぇか。草食動物さんよぉ?」
「!…レオナさん…こんにちは……」
「あ?…お前、いつもみてぇに威勢がねぇと思ったら顔色が悪いじゃねぇか」
そう言うと、レオナさんはベンチの近くにしゃがんだ。
「あの…」
「お前、こんな所にいちゃ食われちまうんじゃねぇのか?なぁ?」
「…誰が私みたいな人食べたがるんです」
「…チッ……」
「?な、何を……!」
レオナさんがいきなり私を抱きしめて何処かに向かう。
幸い今は授業中で誰もいないのが救いだけど。
いつものように雑ではなく、むしろ心地良くて私はいつのまにか眠ってしまっていた。
「……?」
「はっ。お目覚めか?健気なお嬢さんよぉ」
「え?…あ、すみません……っ…」
「まだ寝てろ。ラギーの奴に見張りは頼んである。」
「私は授業があるんですけど…」
「はぁ?外見てみろ。もう外が暗ぇだろ」
そう言われて外を見るとなるほど。
「まっ…真っ暗じゃないですか!!!!」
「うるせぇな…それが何だよ…」
「あの〜〜レオナさん?お客さんっス」
「客?誰だか分かんねぇ奴は通すなって……」
レオナさんが不機嫌に言った途端、ある人が部屋に入ってくる。
「あ?」
「世話させたな、レオナ。」