第2章 『先輩』じゃなくて【ケイ監】※微裏(仮)
—監督生side—
ケイト先輩が部屋に入ってきた時、完全に誤解されたと思った。
いつもならオレも混ぜてよ、と明るく話すのに…
もちろん誤解されるようなことはしていない。
けど、今はケイト先輩と話したくない。
ケイト先輩も私たちを疑っていて、私もケイト先輩を少し疑っている。
…もう、私たち終わりなのかな。
そう思うと涙が溢れてくる。
別にケイト先輩のことを疑うわけじゃない。
ケイト先輩なら仲良い女の子だってたくさんいるはずで。
もしかしたら彼女なんていっぱいいるかもしれない。
私は数多くいる彼女の1人に過ぎないかもしれない。
走っていた足が止まる。
「…っ……うぅっ…………」
違う。違うんですケイト先輩。
私はトレイ先輩に相談をしていただけ。
「…好きなの、はっ……ケイ…ト先輩だけなのにっ…………」
「……ユウ、ちゃん」
「!………、」
声がした。大好きな先輩の声だった、けど。
振り向きたくない。