第9章 少女昏睡状態
暗闇が広がっていく
どんどん飲み込まれる
『……ここは…』
「あんたなんか!」
「忌々しい!」
『……私?小さいな』
あぁ、悪夢か
違う、元の世界の記憶
小さい頃の私はただ殴られて蹴られて、奴隷以下の存在
『あは。あははは!』
笑えてくる
自分より弱者を虐めて何が強者か
力で押し付ければ抵抗しない?
阿呆か
抵抗する前に力がないから抵抗しないだけだ
『……あーぁ…どうでもいいや』
ねぇ?そう思うでしょう?
小さい私
『……たい…』
『え…?』
『生きた…い』
………小さい頃の私は生きたがってる
私はもう疲れ果ててしまってる
こんな私を見たら小さい私はショックを受けるのかな?
side終