第2章 烏養繋心
「俺らみんなひのの事好きっすよ。誰がひのを射止めるか本気で話してましたから」
「田中ぁー、だから今それを言うなよ‼︎烏養さんに喧嘩売ってんのか⁉︎」
「お前らみんな揃っていい性格してんな」
「だから俺が言いたいのは、ひのを狙ってる奴は山ほどいるって事なんですよ。俺のもんだから大丈夫だなんて思ってると取られちまいますよ。そうならないようにちゃんと大事にしといた方がいいですよって事です」
「「おーーー、田中さんカッケー」」
「フッ、まぁな‼︎」
「田中さん、こんなにカッコいいこと言ってんのになんでモテないんですかね?」
「月島ぁぁ‼︎」
「お前らに心配してもらわなくてもひのは大事にするから安心しろ」
なっ‼︎っと肩を抱き寄せられた。
今までずっと隠してたから、みんなの前で堂々とこんな事されたの初めてで嬉しいけど恥ずかしくて俯くしかなかった。
「ひの、耳まで真っ赤だぞ」
耳元で囁かれたら、ますます赤くなっちゃうでしょー。
「繋心のバカ」
「なんだ、嫌だったか?」
「……嫌じゃない…けど」
「だよな」
「みんながいるから恥ずかしいんですぅ‼︎」
「あのぉ〜、イチャイチャするのやめてもらえますかねぇ」
「ひののこんな顔見られるのは嬉しいですけどね」
「見るんじゃねぇ」
繋心はみんなに背を向け私を隠すようにして抱きしめた。
「ちょっ、繋心」
「お前らには見せねぇ。この顔を見ていいのは俺だけだからな」
「烏養さんのけちー」
「いいじゃないっすかー、ちょっと見るくらい」
「寄るな‼︎見るな‼︎」
私の顔を胸にくっつけるように抱きしめたままくるくると回ってみんなに見られないようにする繋心。
「繋心、苦しいから離してーー」