第2章 烏養繋心
「役に立ってますか?普段はぐうたらしてるだけの息子だからねぇ、心配だわ」
「そんな。俺たち烏養さんにめちゃめちゃ頼らせてもらってます」
「そう?お役に立ててるのなら良かったわ。あ、肉まんね。はいはいちょっと待っててね」
お義母さんは肉まんを渡してくれたあと、ゆっくりしてってねと言い奥に戻っていった。
ちょっとだけ危うかったけどなんとかセーーフ。
「「いただきまーす」」
みんなで空っぽのお腹に肉まんを補充する。
「おいしーーー」
久しぶりに食べた肉まんは、お腹が空いてる事もあってか最高に美味しい。
「ひのすげー幸せそうな顔してっぞ」
「だって美味しいですもん‼︎」
「そうかそうか。その顔見ただけで奢った甲斐があるってもんだな」
大地さんが楽しそうに私の顔を見ている。
「どれどれー、どんな顔して食ってんだぁ?」とみんなの視線が私に向けられる。
私は慌ててみんなに背を向けた。
「そんなに見ないでください。恥ずかしくて食べられないじゃないですかぁー」
店内に笑い声が広がる。
肉まんを食べ、空腹感がおさまったところでそろそろ帰ろうかとゆう雰囲気になってきた。
一足先にお店を出て裏口から家に入ろうと考え、みんなに声を掛けようとした時だった。
「大地さんごちそうさまでした。私先に帰らせてもらって」
「ひのちゃーん。繋心今日何時に帰ってくるか分かんないから先に食べちゃいましょ‼︎今日はひのちゃんの大好きな唐揚げと切り干し大根の煮物よ。食べ終わったらお風呂も入っちゃっていいからね。あ、それと私ご飯食べたらお隣の中野さんとこ行って
来るから繋心帰ってきたらよろしくね」
お義母さーーん‼︎
「ひのちゃん?あれ、いないのかしら…」
私が返事もできず固まってしまっているところにお義母さんがひょこっと顔を覗かせ、あっと言ってこれまた固まった。
「あのね、違うのよ。えっと今のは…」
プルルルル〜
電話だ…
「ごめん電話…」
と奥に行ったお義母さん。
マズイ。ヒジョーにマズイ……