第2章 烏養繋心
「もしもし…」
繋心が電話してる。
「やっべー‼︎」
??
「悪りぃ、俺町内会の集まりに行くから帰るわ。あーくそ、すっかり忘れてたぁー」
大急ぎで体育館を飛び出して行った繋心。
集まりって何時までなのかな…
家に帰っても繋心いないのか。
すぐに相談したかったのに。
練習が終わり片付けをしていると、
「おーい、大地が坂ノ下で肉まん奢ってくれるってぞー。みんな食って帰るぞー」
「「大地さんあざーす‼︎」」
ゲッ‼︎みんなが来る前に急いで家の中に入らなきゃ‼︎
「ひのも行くぞ」
と大地さん。
「ありがとうございます。でも今日は私はいいです…」
「なんだ?遠慮すんな。みんなで同じものを買い食いして親睦を深めるってのもありだぞ」
「でも、大地さんのお小遣いが減っちゃいますよ…」
「大丈夫だから心配すんな」
大地さんの笑顔を見たら断れない。
「では遠慮なくごちそうになります」
「おぅ。じゃ行くか」
「はい」
さて、どうしよう。
みんなと一緒にお店に入っていった私を見たお義母さんがどんな反応をするか…
想像しただけで不安になる。
私と同じで、多分焦って挙動不審になっちゃうんじゃないかな。
大地さんがいろいろ話しかけてくれてるんだけど、私はこれから行く坂ノ下商店(我が家)での事が心配でそれどころではない。
ほとんど耳に入ってこない。
どうしようどうしよう
「すみませーん、肉まんくださーい」
「はーいはいはいはい」
とお義母さんが出てきた。
「いらっしゃい。肉まんねー、何個かしら?」
‼︎‼︎
お義母さんと目が合った。
「あらー、ひのちゃん‼︎おかえりー」
「ただいま、おばさん」
おばさんの部分を強調すると、あっ‼︎って顔になるお義母さん。
「久しぶりねぇ、元気だった?」
「はい。おばさんも元気そうで嬉しいです」
「あらー、ありがとう。あれ?…ってゆう事はみんなはバレー部?」
「はい。烏養さんにはお世話になっています」
と、さすがキャプテン。大地さんが丁寧に挨拶をした。