第2章 烏養繋心
朝、私はいつもより早く家を出た。
繋心と顔を合わせるのが気まずかったから。
今日の放課後、大地さんに辞める事を伝える。
また潔子さん1人になって大変だよね…
ってゆうか私がいてもいなくてもあまり変わらないかっ。
ははっ……
笑えない…
大地さんにどうやって切り出そう…
辞める理由何にしよう…
繋心とどうやって仲直りしよう…
あーーーーーーー…はぁ〜〜
「ひの大丈夫か?具合でも悪いのか?」
日向くんが私の奇妙な雰囲気を心配して声をかけてくれた。
「あ、うん。大丈夫」
本当は大丈夫じゃないけど…
そして、とうとう来て欲しくなかった放課後。
重い足取りで体育館へ向かう。
そこには、田中先輩がいた。
「お疲れ様です」
「おぅひの」
「先輩今日はすごく早いですね」
「俺だっていつも居残りさせられてるわけじゃねぇさ。俺さ、今日は新しい技を披露してやるから見とけよ」
ボールを床に打ち付けながら嬉しそうに話す田中先輩。
今では面白い先輩って思えるけど、初めて会ったときは坊主頭の怖い人ってゆう印象だった。
潔子さんが大好きで、いつも好きですアピールをしまくるこの先輩に自分を重ねて見てた。
全然相手にしてくれない繋心に、どうやったら振り向いてもらえるか考えたりして…
「田中先輩‼︎今日の先輩すごくカッコいいですよ」
「おぅ、サンキューな‼︎よーし、今日も頑張るぞーー‼︎」
先輩ファイト‼︎潔子さんとうまくいくといいですね。応援してます。
「田中ー、お前今日はやけにやる気だなぁー」
「大地さん、お疲れっす」
「お疲れ様です」
「おぅ、お疲れ」
「あの…大地さんにお話があるんですが、今ちょっとだけいいですか?」
「ん?いいぞ。どうした?」
「あの…」
「おーー田中ー今日は早いなぁ。雪でも降るんじゃないかー」
「スガさーん。降らないっすよぉーー」
「大地ー今日旭少し遅れるってさ」
「分かった」
「おー、今日はみんな集まんの早かったな〜」
今日に限ってみんな来るの早いよぉ。
話を聞いてもらう前にみんな揃ってしまった。