第2章 烏養繋心
「繋心はね、ひのちゃんが大好きなのよ。ひのちゃんが可愛くて仕方ないの」
「な⁉︎…そうでしょうか…」
「見てて思うもの。あの子はめんどくさいとか言いながらもずーっとひのちゃんに懐かれてて嬉しそうだったのよ。歳が離れてる事を気にして自分の気持ちを抑え続けてたみたいだけど。ひのちゃんのおばあちゃんが亡くなった時、繋心から相談されたの。ひのちゃんをうちに住まわせたいんだけどいいかって。その時、ひのちゃんと結婚したいって事も言われたの。
けど、やっぱり歳の差を気にしてて。ひのちゃんは今はこうやって自分に好きだ好きだと言ってくるけど、そのうちきっと周りの同じくらいの歳の子を好きになる日が来るんじゃないかって。
不安でしかたないみたい。結婚した今でもその不安は消えないみたいで。だから、男の子たちがいっぱいの部活に入る事を反対してるんだと思う。ひのちゃんが他の男の子に取られてしまうかもしれないって。マネージャー辞めるか辞めないかはひのちゃんが自分の意思で決めていいからね。あの子の不安な気持ちのためにひのちゃんがやりたい事を我慢することはないから。
私はひのちゃんの味方だからね。ひのちゃんが決めた事を応援する」
「お義母さん…ありがとうございます。私、繋心の気持ちを考えてなかったです。私、繋心と結婚できて、繋心の奥さんにしてもらえて幸せです。だから…繋心を不安にさせたくないです。明日、マネージャーを辞めてきますね。おやすみなさい」
「ひのちゃん……」