第2章 烏養繋心
「そうか…安心するか」
「うん」
「じゃ、一緒でいい。俺が耐えればいいだけだしな」
「耐えなくていいよ。もし…どうしてもってゆう時は…」
「時は?」
「…いいよ」
「いいのか?」
「うん」
「ちなみにさ…今がそのどうしてもって状態なんだが…」
「今⁉︎」
「無理だよな。あー悪りぃ悪りぃ、今のは聞かなかった事にしてくれ。じゃおやすみ」
「………」
私に背を向けてしまった繋心。
そんな繋心の背中にピッタリとくっついた。
そして勇気を出して言った。
「繋心…あのね、ちょっとだけなら…いいよ」
「マジか⁉︎」
勢いよくこちらに向き直る。
「うん…」
「いやいや、やっぱりやめておく。お前無理してるだろ。それにちょっとだけとか無理だしな。俺はお前がちゃんと俺を受け入れられるようになるまで待つ。だから今日はおとなしく寝るぞ、なっ」
「うん…」
無理してる事バレてた。
でも、繋心に嫌われたくないって思ったからちょっとくらい無理しようと思った。
やっぱりまだ怖いし、恥ずかしいし、緊張するけど。
我慢させ過ぎて繋心が他の人のところに行っちゃったら嫌だし…。
「ごめんね、繋心」
「大丈夫だから気にすんな。ほらもっとこっちこい」
ぐっと抱き寄せられて繋心の胸にすっぽりと収まった。
「繋心…」
「ん?」
「大好き」
「おぅ」
「だーいすき」
「俺もだ」
「今も我慢してる?」
「あぁ。何かの罰ゲームなのかよってくらいな」
「ちゅっ」
私は繋心のほっぺにキスをした。
「お、お前なぁ⁉︎」
とびっくりする繋心にギュッと抱きついた。
「おいひの覚えてろよ、まったく」
だって…キスしたかったんだもん。