第1章 田中龍之介
「田中先輩‼︎」
「な、なんだいきなり」
先輩と向き合うように、正面に回り込んだ。
大きく深呼吸をした。
「私は田中先輩が好きです‼︎」
「へっ⁉︎」
「駅前で助けてもらった時からずっと好きでした‼︎」
先輩はびっくりした顔で固まっていた。
「あ、だからといって先輩の彼女にして欲しいとかそんな事は言いません。先輩に好きな人がいるの知ってますから。
ただ、私が先輩を好きだとゆう気持ちを知って欲しかっただけですので。先輩が私を好きになってくれる事はないって分かってますので、あの、大丈夫ですから気にしないでください。
で、今までみたいに廊下で会った時挨拶してくれたり、よぉひのって呼んでもらえたら嬉しいし、部活も見に行きたいし」
「………」
「あ、ごめんなさい。そんなのダメですよね…。私ったら何言ってるんだろ。あの…迷惑にならないようにしますので、好きでいさせてください」
「あ、あぁ…」
「じゃ、先輩おやすみなさい。これ、明日返しますので」
私は先輩から逃げるように家に駆け込んだ。
足と手がガクガク震えてる。
こんなに緊張したの初めて…
でも、私頑張ったよ。
ちゃんと気持ち言えた。
明日から気まずくなっちゃうかなやっぱり…
でも、気持ち伝えたことは後悔してない。