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愛・ラブ・ハイキュー‼︎

第1章 田中龍之介


無言で歩く私と先輩。

何か話さなきゃって思ってるんだけど、何を話そう。

先輩も今日は何も話してくれない。


そんな時沈黙を破ったのは私。

ハックシュン、クシュン…

くしゃみが続けて2回出ちゃった。

寒っ。

なんだろ、風邪ひいちゃったかな…

ズズッと鼻をすすると、

「寒いのか?」

やっと先輩が話しかけてくれた。

「…少しだけ」

「ほれ、これ着とけ」

先輩が、自分の着てたジャージの上着を脱いで私に差し出した。

「えっ⁉︎」

私に?

嬉しさのあまり固まってしまった私を見て先輩は焦ったように、

「わ、悪りぃ、俺の汗臭い服なんか着たくねぇよなっ⁉︎」

差し出した上着を引っ込めようとする先輩。

「着たいです‼︎」

私は慌てて上着を掴んだ。

「お、おう。じゃほら。着るもんこれしかねぇからなぁ、寒いよりはいいだろ、我慢して着てくれ」

「ありがとうございます‼︎」

我慢だなんて。喜んで着させてもらいます‼︎


ブカブカだ…先輩大きいからなぁ。って私が小さいだけ?

「あったかい」

「そうか、それは良かった」

「いい匂いがします」

「ば、ばか、やめろ、匂いを嗅ぐな‼︎汗くせぇーんだから」

「汗臭くなんかないですよ。先輩の匂いがして安心します」

「お、お前、変態か?」

「変態って…ひどいです」

「いや、だってそうだろ…」


こうゆうやり取りが嬉しい。

心地いい。

やっぱり先輩が好き。

諦めたくない。

先輩のことずっと見ていたい。

いっぱいお話ししたい。

こうやって一緒に歩きたい。

ひのって呼んでもらいたい。
















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