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愛・ラブ・ハイキュー‼︎

第1章 田中龍之介


次の日も、その次の日も私は体育館に行かなかった。

田中先輩がマネージャーさんに嬉しそうに話かけてるところを見たくないから。

あのマネージャーさんが相手なんて、勝ち目ないし。

失恋…早かったなぁ。

放課後、誰もいなくなった教室で帰る時間をずらすために時間をつぶしていた。

廊下とかで先輩に会いたくないから。

今先輩の顔見たら泣いちゃうかもしれないから。

田中先輩…


「ねぇ、今日も来ないの?」

背後からの急な声にビックリして振り返ると、そこには同じクラスの月島くんがいた。

「えっ…どこ…に?」

「バレー見に」

「えっと…なんで月島くんが…え???」

「もしかして僕がバレー部って事知らなかった?」

「う…ん」

「佐倉が部活見に来てた時、僕ちゃんといたんだけど」

「あ、ごめん。気が付かなかった…」

「だろうね。佐倉の目には田中さんしか映ってなかったもんね」

「なっ!そ、そんな事ないし…」

「キミ分かりやすいからすぐ気付いたよ。それにしても、あの人のどこがいいの?」

「………」

「ねぇ、教えてよ。興味あるんだけど」

「……ない」

「え?」

「言いたくない」

「なにそれ」

「私帰るね」

急いで教室を出た。

田中先輩の好きなとこあげたらいっぱいすぎて…

先輩の事諦めなきゃいけないのに、好きなところ言わされたらまた好きになっちゃうから言いたくない。

それに、もうすぐ好きじゃなくなるんだし…



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