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愛・ラブ・ハイキュー‼︎

第1章 田中龍之介


今日も来ちゃった。

「お疲れ様です。隅っこにいますので見学させてください」

「隅っこと言わず、見やすいところで見てって」

菅原さんが言ってくれた。

邪魔にならないようにしないと。

田中先輩まだ来てない…かな。

お疲れ様でーすと元気に入ってきた田中先輩。

「今日は珍しく早いな、田中」

「スガさーん、珍しいとか言わないでくださいよぉー」

来て早々いじられてる田中先輩。

先輩私に気付いてくれるかなぁ…

ドキドキしながら先輩を見つめていたら、

「お疲れー」

と、入ってきた綺麗な人。

マネージャーさんかな…?

と思った瞬間、

「潔子さん、お疲れっす‼︎今日もとてもお美しい。潔子さんに会えない毎日がとても辛かったですぅぅ」

後から知ったのだが、家の都合で2〜3日部活を休んでたらしい。

「………」

「久々のガン無視、やっぱいいっす‼︎」




「あれ?見学の子かな?」

私を見つけて声をかけてくれた綺麗な人。

「はい。少しだけお邪魔させてください」

「少しと言わず、ゆっくり見ていって」

「ありがとうございます」

ステキな人…

「お?佐倉来てたのか。いいなぁお前、潔子さんと楽しげに話せてよぉ。羨ましいぜー」

「………」

今まで見たことないくらいの笑顔で話す先輩。

先輩はこの人のこと好きなんだと悟ってしまった。

たった数回優しくしてもらったくらいでいい気になって、もしかしていい感じになっちゃうんじゃないかなんて勘違いした自分が恥ずかしい。

練習中、何度もマネージャーさんに声をかけ無視をされそれに反応して喜んでいる先輩。

私の事は一切目に入ってない。

それもそうだよね。

部外者のただの女子に興味ないよね。

私はこの場にいるのが辛くなって、体育館を出た。

縁下さんに訊くまでもなく、田中先輩には好きな人がいる事が分かった。

やっぱり両想にはなれないみたい…








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