第3章 【白澤】
「…………あれ、女の子の匂い」
「!……ムカツクくらい早いですね」
「…………?」
ひょこ、と鬼灯の背中から顔をのぞかせる。
その瞬間――
は白澤に手首を掴まれ、腰を引き寄せられていた。
「「!!」」
「へぇ…君すっごい可愛いね~。僕好みだ」
「…………え…」
「名前なんていうの?地獄に就いて何年?あ、僕は白澤ー。今晩ヒマ?僕と遊ばない?」
顔を耳まで真っ赤にして俯いてしまったの肩を鬼灯が引き寄せる。
「さんはは貴方と違って純粋で繊細なんです。変なこと教えないでください」
――それに何よりこんな奴の言動で頬を赤らめる彼女など見ていたくない
「ちゃんっていうんだ。覚えておこっと」
――何でだろ、アイツがこの子に触れてるのを見てると…イライラする
「?二人は…親戚、とか?」
「違います。ただの知人です。お互い、東洋医学の研究をしてまして」
「そう、まあ色々と付き合いがね。てか、いつまでちゃん抱き寄せてんのさ」
「でも極力会いませんね。貴方こそ私のさんに触れないでいただきたい」
「会わないって…何で?」
「まあ一言で言うと、コイツが大嫌いなんです」
「僕もお前が大っ嫌いだよ」
を間に挟んで睨みあう二人。
その様子を棟目から見ていた桃太郎たちが、様モテモテだなァと心中で呟く。